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2024年12月17日ブログ

社会保険の適用拡大について①

HPの更新を開設以来できていませんでしたが、少しずつ更新しく予定です!!
まず初めのテーマとして、最近話題になっている社会保険の適用拡大の影響についてシュミレーションをもとに検討してみようと思います。

社会保険の適用拡大により、将来的に影響を受けることが予想されるのは以下のパターンになります。
①106万円の壁の撤廃によって影響を受けるパターン
 年収106万円以下の労働者(週の所定労働時間が20時間以上)で配偶者の扶養(社会保険)に入っている人
②企業規模要件の撤廃によって影響を受けるパターン
 年収130万円以下の労働者(週の所定労働時間が20時間以上)で、従業員50人以下の企業で働き、配偶者の扶養(社会保険)に入っている人

今回のシュミレーション
月収を8万円に抑えているAさん(40歳)が、106万円の壁の撤廃により受ける実質的な影響額を計算したいと思います。(週の所定労働時間が20時間以上)
上記でいうと①のパターンになりますね。

毎月の手取り額

ケース手取り額 円/月
106万円の壁がない場合(社保扶養)80,000円
106万円の壁がある場合(社保加入)67,611円

毎月の手取り額は、両者で比較すると月額で12,389円の差が、年間では148,668円の差額になります。
20年間で考えると、差額は2,973,360円に広がります。そのため、手取り額だけで考えると、実質的には増税となってしまいます。
※沖縄県の協会けんぽの保険料(2024年12月現在)で計算しております。
※雇用保険料については考慮しておりません。

では、社保加入により厚生年金を受給できるメリットを考慮するとどうなるでしょうか?

◇厚生年金の受給額

厚生年金は加入月数に応じて支給額が変化するため、Aさんが40歳~60歳まで20年間、月8万円の収入を得ていた場合のケースを考えてみます。

ケース年金額(厚生年金)円/年
106万円の壁がない場合(社保扶養)0円
106万円の壁がある場合(社保加入)115,759円

※年金の計算において、改定率や経過的加算等の影響は加味しておりません。

年金の支給開始は現在65歳~となっているため、仮にAさんが80歳まで生きたと仮定すると、
115,759円×15年の1,736,385円の厚生年金を受給したという計算になります。
これまでに負担した社会保険料は20年間で2.973,360円になるため、負担した保険料分の方が多い計算になります。もし、支払った社会保険料のもとをとろうと思うと、26年間受給する必要があり、91歳まで生きている必要があります。。。

結論
社会保険の適用拡大(106万円の壁の撤廃)により多くの方にとっては、負担する保険料>受給する厚生年金となることから、実質的な増税になります。
但し、1週間の所定労働時間が20時間以上で月収8万円の場合のシミュレーションであり、これを時給換算すると1,000円未満の時給です。
そのため、今回のシミュレーションの結果がそのまま当てはまるのは、都市部以外の地域で月の収入を8万8千円未満に抑えて働いている方になります。